ドゥテルテ大統領の「慰安婦」像に関する国内の報道(まとめ)

フィリピン現地メディアによれば

 

f:id:Suomi_Thorne:20180502110205j:plain

 ドゥテルテ大統領は、マニラのロクサス ブルバードに設置されている「慰安婦」像を、日本を侮辱するために公共の場に設置するべきではないと語り、日本を傷つけない他の場所に移動することはできると語った。

 公共事業道路省(DPWH: Department of Public Works and Highways)は排水改善プロジェクトのために金曜日に2018年4月27日に「慰安婦」像の撤去を行った。

 ドゥテルテ大統領は、シンガポール訪問後にダバオ市でのメディアインタビューで、「慰安婦」像が「設置されたことは知らなかった」と語った。

 ダバオ市の演説でドゥテルテ大統領は「他の場所に置くことはできますが、公共の場所に私有財産を設置することには罰金を科せます」とも語ったが「しかし、行わないでほしい...その問題で...私が心配しているのは、それだけです」と続けた。

 そして、「この彫像を私有地に設置することについては、表現の自由があり、多くの論争はまねかない、問題はない」、「日本とフィリピン国民は民主主義であり、表現の自由は非常に重要だ」「表現の自由を制限する権限は私にはない」と語った。 

 さらに「日本人は早い時期にそのことに関する賠償を支払った。 「賠償は何年も前から始まった。だからいまさら私たちを侮辱しないでください。そして、犯された不正行為の記念碑は一つあれば十分です」、「他国を侮辱するための政治的なものでなければ、その像が私有地に設置されるならば認めない訳にはいかない。」とも語った。

 

 Gabriela Women's Partyの議員は、「「慰安婦」像の経緯を調査する」と語り、「1941年から1945年の日本占領中に約1,000人のフィリピン人が、慰安婦として働いた」、「そのことは「フィリピン女性を侮辱するもの」であり、「慰安婦」像の撤去について強く批難した。

 それに対して、ドゥテルテ大統領は「日本が既に占領・第二次世界大戦時の虐待に対しては、謝罪し賠償は支払った」、「tapos na 'yan(問題は解決されました)」、「日本は賠償だけでなく、それ以上に多くの支援をフィリピンに行っている」と語った。

 

 エストラーダ マニラ市長は、市は「慰安婦」像の撤去には関わっていないし、同意もしなかった」 、「市はロクサス ブルバードの「慰安婦」像撤去には関わっておらず、知っているのは、公共事業道路省によって行われたことだ」と語った。

 さらに、エストラーダ市長は「「慰安婦」像を設置したグループは、フィリピン人の悪い過去を埋葬すべきだ」、「悪い過去の行いに対する批難の活動は、私たちの体制にはいらない。過去に起こった悪いことと一緒にそれを埋めなければならない」と語った。

 

設置までの経緯

f:id:Suomi_Thorne:20180502110239j:plain

 2メートルのブロンズ像は、マニラのロクサス ブルバードに、2017年12月にフィリピン国立歴史委員会によって公開されました。それは、日本の占領中に軍の売春宿で働くことを余儀なくされたフィリピン人を象徴する目隠しされた女性を描写した。 

 この設置について貿易相手国である日本は、この「遺憾である」と表明した。 

 フィリピン政府は、「マニラの日本大使館は、設置前ににフィリピン政府に通告した」と語り、「日本大使館は、韓国や米国などでも、多くの人が忘れられた歴史のエピソードを思い起こさせる「慰安婦」像の設置に懸念を表明していた」とも語った。  

 

以上、ざっくりとした紹介です。